6 健全化判断比率と統一的な基準による新地方公会計制度について
◆37番(稲川和成議員) 質問の6に移ります。
健全化判断比率の数値について
本市の平成27年度決算にかかわる健全化判断比率の数値についてですが、実質公債費比率、将来負担比率など、数値がかなり改善されてきているようです。本市における公債費等の負担が、標準財政規模を基本とした額に対して、どの程度の割合であるかを示す実質公債費比率では、平成27年度は6.5パーセントと、昨年度に比べ1.1ポイント改善しています。また、地方債残高及び土地開発公社等へ債務保証を行なっている債務負担行為の額など、本市の将来負担の総合計額が、標準財政規模を基本とした額に対して、どの程度の割合であるかを示す将来負担比率については、平成27年度は11.8パーセントと、昨年度と比べ24ポイントの改善となっています。

(1)健全化判断比率の数値について
ア 実質公債費比率が改善した理由について
イ 将来負担比率が改善した理由について
これらの数値を見る限り、極めて良好であるように見受けられますが、こうした状態が維持されるのか。
ウ 今後の財政見通しについて
(2)財務書類の作成について現在、この方式は、平成20年度決算から「総務省方式改訂モデル」として決算統計データを活用して作成していると思いますが、今後、地方公共団体では、統一的な基準による財務書類を平成29年度までに作成すると聞き及んでおります。この統一的な基準による財務書類は、現在作成しているものとどう違うのか、回答をお願いいたします。

◎岩城和美企画財政部長 御答弁申し上げます。
(1)のアでございますが、実質公債費比率につきましては、過去3か年平均で算出していることから、平成24年度数値と27年度数値との比較となりますが、改善した理由につきましては、債務負担行為に基づく支出のうち、公債費に準ずるものである土地開発公社からの用地取得を昨年度は行わなかったことから、分子であります公債費等が減となったこと、また、市税及び地方消費税交付金等の増収により、分母である「標準財政規模を基本とした額」が増加したことが数値低下の主な要因でございます。次に、イでございますが、将来負担比率につきましては、将来負担額について平成27年度は市債の借り入れより元金償還が上回り、市債残高が減少したこと、土地開発公社用地の民間売却により、債務負担行為に基づく支出予定額が減少したこと、及び控除財源となる基金残高等が増加となったことにより、分子であります将来負担額が減少したこと、また、市税等の増収により、分母であります「標準財政規模を基本とした額」が増加したことから数値が低下したものでございます。
次に、ウでございますが、平成29年度以降も国民健康保険や介護保険及び子育て関係経費など社会保障費の増加が見込まれる中、三大プロジェクトの進展、公共施設やインフラの更新、都市基盤整備の推進などにより、ますます財政需要は高まるものと想定しております。
これら事業の財源といたしまして、これまで積み増してきた基金の取り崩しや市債の増加も見込むことから、2つの健全化判断比率は徐々に上昇するものと考えております。今後、国庫補助金の確保、地方財政支援の手厚い地方債の活用、行財政改革の一層の推進等により、良好な数値を維持できるよう鋭意努力して参ります。
次に、(2)でございますが、現在、各地方公共団体で作成している財務書類は、総務省改訂モデルなど3種類の方式が混在しており、団体間の比較ができないばかりか、予算編成等に活用している団体は限られている状況でございます。
今後、全国的に統一的な基準による財務書類を作成することにより、全ての団体間の財務状況の比較が可能となり、また、発生主義会計を導入し、複式仕訳を全ての歳入歳出について行うことにより、全てのコスト及びストック情報を網羅的に把握できること、さらに固定資産台帳の整備により正確な資産を把握できることから、公共施設等のマネジメントにも活用が期待されるなど、予算編成や行政評価等にも活用できるものと考えております。
以上でございます。