3 交通弱者にやさしい風を「交通インフラについて」

一般質問稲川先生似顔絵

3 交通弱者にやさしい風を『交通インフラについて』

 路線バスやコミュニティバスの見直しにつきましては、既にこれまでにも何度か議会で取り上げられていますが、多様化した市民ニーズにこたえるため、そして、より利便性の高い身近な公共交通機関となることを願って質問します。
 1点目は、平成21年3月の川口市バス路線網等調査報告書によると、不便地区とされた道合、安行領根岸地区に対する基本的な考え方についてお聞かせください。
 2点目は、デマンドバスの導入についての考え方をお話しください。
 3点目は、在家、道合西、見沼、根岸北の4町会からの要望ですが、川口駅前のそごうデパートやアリオ等でショッピングがしたいと思っても、4町会からは、まずバスで蕨駅に行き、JR線で川口駅まで行く方法をとらなければなりません。1時間に1本でもよいので、川口駅行きバスの運行をぜひ再開してもらいたいと熱望されています。当局の考え方をお聞かせください。
 4点目は、コミュニティバスにかわるサービスの創設のお考えはありますか。例えば年齢70歳以上に対して、路線バスの割引制度の創設はいかがか。
 5点目は、平成21年度のコミュニティバスの運行経費は。支出、収入ともにお答えください。
 1回目の質問を終えます。

一般質問答弁用

◎田村英之技監兼都市計画部長

 1点目の御質問ですが、平成20年度のバス路線網等調査におきましては、駅勢圏800メートル、バス停圏300メートルと設定いたしまして、バスの運行頻度が一日30便以下である24地区を交通不便地区として抽出し、そのうち、最も交通空白面積が多く、鉄道駅から遠く、高齢者人口の多い地区をモデルとして、改善策や課題の検討を行なったものでございます。当調査において抽出した道合、安行領根岸地区をはじめとする交通不便地区につきましては、今年度より実施している総合都市交通体系調査の中で、さらなる分析とニーズの把握を進め、交通利便性の向上を図ることのできる具体的な方策について検討して参りたいと存じます。
 次に、2点目ですが、デマンドバスは、民間の路線バスやコミュニティバス等、定時・定路線のバス運行が成り立つ程度の需要が見込めない地域の交通手段として有効であると考えております。また、最近では、技術の進歩により、低コストでデマンドシステムを導入できる環境が整いつつあり、各地で実験運行の機運が高まっております。今後、本市において少量輸送システムを検討する際には、先進事例を参考としながら、デマンドバスの導入可能性についても視野に入れたいと考えております。
 次に、3点目ですが、東浦和駅から在家、道合西、見沼、根岸北の各町会近接地を経由し、川口駅東口に至る川17系統路線につきましては、これまでにも国際興業株式会社に対し路線復活に関する要望をしておりましたが、同社からの回答は、川17系統は需要の動向から廃止いたしたものであり、復活は今後の課題とさせていただきたいとのことでございます。引き続き同社に対しましては路線復活について働きかけるとともに、コミュニティバスやその他の手段を含めまして、地域の足を確保する方策について研究して参りたいと存じます。
 次に、4点目ですが、本市コミュニティバスは、100円という低廉な運賃設定であり、特に高齢者の方に多く御利用いただいておりますが、民間バス事業者におきましても、現在、高齢者限定の運賃割引サービスを提供しております。例えば国際興業バスの「彩京のびのびパス」や東武バスの「ラブリーパス」等、65歳以上の方が全路線乗り放題となる定期券があり、日常的にバスを利用する高齢者の方にとっては利用価値は高いものと考えられます。これらのサービスを利用し、コミュニティバスと路線バスを組み合わせた移動を促すことにより、高齢者等のより積極的な外出意欲に対応できるようになると存じます。
 次に、5点目ですが、平成21年度の本市コミュニティバスの運行経費は8,866万7,352円であり、運賃収入は2,450万3,141円、広告収入は5万3,625円となっております。本市からは運行事業者である国際興業株式会社に対し運行事業費補助金といたしまして6,411万586円を交付いたしました。
 以上でございます。

一般質問稲川先生似顔絵

 1点目として、デマンドバスについて再質問させていただきます。道合、安行領根岸地区の交通利便性向上のため、デマンドバスを仮に導入するようになった場合、モデル地区として、同地区を考えていただきたいが、いかがなものでしょうか。
 2つ目の再質問でございますが、答弁の中で「彩京のびのびパス」や「ラブリーパス」の御案内をいただいたわけですけども、その川口市民の利用度、そして反応はどのようなものが届いているか答弁ください。
 そして、3点目としまして、運行事業費補助金が6,411万586円と答弁をいただいたわけですけども、利用者1人あたりの補助金額にしてどのくらいになるのか。例えば近隣の戸田市とか、蕨市にも同じようなバスが走っているかと思うんですけども、比較してどうなのか、答弁ください。

一般質問答弁用

◎田村英之技監兼都市計画部長

 1点目の道合、安行領根岸地区の交通利便性のため、デマンドバス導入等のモデル地区としてはいかがかという御質問についてですが、道合、安行領根岸をはじめといたします交通不便地区につきましては、総合都市交通体系調査において、今後、交通流動の分析や市民ニーズの把握等を行なって参りまして、コミュニティバス等の再編により、その解消や利便性の向上を図って参ることも考えられますが、定時・定路線のバス運行が成り立たない程度の小さな需要しか見込めない場合には、例えばデマンドバスの導入等についても研究して参りたいと存じます。
 次に、「彩京のびのびパス」や「ラブリーパス」等の市民の利用度、反応等ということでございますけれども、これらの割引定期券につきましては、市民の購入動向ですとか、あるいは反応までは把握できておりませんが、各事業者ともお伺いいたしましたところ、販売状況はおおむね好調ということでございました。本市といたしましても、公共交通の利用促進や、あるいは市民の利便性の向上のため、これら民間交通事業者の割引サービス等についても情報提供を行なって参りたいと存じます。
 次に、3点目ですが、コミュニティバスの利用者1人あたりの補助金額ということでございますけれども、平成21年度の本市コミュニティバスの利用者1人あたりの補助金額は249円となりまして、近隣市、例えば戸田市の場合ですと257円、蕨市の253円と比べても低い金額となって、効率的な運営というふうになっているものと考えております。
 以上でございます。