3 日本を取り戻す魂の継承~教育問題について

それでは、大きな3の質問に移りたいと思います。

一般質問稲川先生似顔絵

(1) 川口の歴史、日光御成道より

 ア 地蔵院のタブノキを埼玉県指定天然記念物に

  川口市桜町5丁目にある真言宗智山派の地蔵院本堂の裏にある樹齢600年と推定されている「通称地蔵院のタブノキ」を埼玉県指定天然記念物になるよう市の協力を求めます。質問アとして伺います。
 

イ 小谷三志の旧宅跡案内板について

  小谷三志の旧宅跡案内板を正確に整備してほしい。昭和13年2月10日に埼玉県指定を受けた史跡小谷三志居宅跡は、日光御成道よりやや奥へ入ったところに建っていたわけですが、現在の案内の仕方では誤解を招きます。改善を求めます。
 

ウ 鳩ヶ谷流山線の計画について

  都市計画道路鳩ヶ谷流山線は、昭和47年4月25日に告示され、標準幅員25メートルとされています。残念ながら史跡小谷三志居宅跡も計画に含まれています。事業実施のときは考慮するよう事業者へ求めてほしいが、いかがか。

 (2) 小中学校のエアコン問題について

 読売新聞の報道によると、先月19日に市内市民団体の代表が9,298筆の署名を提出した際、エアコン導入には否定的な考えを示されたようです。私は、全くの無条件で必要か不必要かと問われた場合、当然エアコンは必要ですと答えます。しかし、今の社会、無条件はあり得ませんので、教育委員会の考え方も要望書を提出した団体の考え方も理解できます。
  大きな質問1で述べたように、今後、人口減少が進む中、公共施設はさらに老朽化していく中どうするか。そこで私は提案させていただきたいのですが、多機能化した学校から順次エアコンを導入してはと考えますが、いかがか。

 (3) 交通安全スクールガード問題について

 本年4月1日よりSGへ完全移行され、現在地域の方々が登下校時間、子どもたちをしっかりと見守っています。しかしながら、学童交通指導員制度時代からも指摘されていた、信号がなく、交通量が激しい交差点を横断しないと学校へたどり着けない箇所、いわゆる危険交差点は地域の方々だけでは守りきれないと私は考えています。
  平成18年9月25日、川口市戸塚東2丁目地内の生活道路において発生した保育園児等21人が死傷するという痛ましい事故を契機に、全国初となる生活道路速度30キロ規制を実施し、安全対策を推進してきたことは周知の事実です。素人では危険交差点で車を止めることは大変難しいことです。痛ましい事故が発生する前に安全対策を講じるべきです。
  そこで提案ですが、警備員、ガードマン、もしくは警官による交通指導を実施すべきです。当然予算がかかることですが、人命は最優先されるべきです。小・中学校のエアコン導入より優先して登下校の安全対策を講じてください。

 (4) 東アジア地勢図について

 昨年の9月定例会で紹介させていただいたこの地図であります。この地図が、新海教育長、東アジア地勢図であります。昨年、学校教育部長のほうから、大変興味深く、授業でどのような活用が考えられるか、研究して参ると答弁いただきました。1年間の研究を報告ください。議会ルールで質問は3回までと制限されているため、昨年続いて質問していきたかったわけなんですが、きょう改めて答弁していただきたいなと思います。
  あわせてお尋ねいたしますが、私、最後にこの地図を出して、排他的経済水域と領海を足せば世界6位の大海洋国家日本であるという社会科の授業をされたらどうかという提案をいたしました。そのことについてもお答え願いたいです。

 (5) 昭和20年8月 樺太真岡郵便局「氷雪の門」について

 平成21年9月定例会、22年12月定例会で質問してきた「氷雪の門」、その答弁の中で、21年9月の市立校長会議で説明し、各学校へ紹介したとされました。最初の質問で、上映会実施を求めたわけですが、3年が経過する中、どのような動きとなっていますか。
  先月20日、映画を観て領土問題を考える会実行委員会が主催し、メディアセブン・プレゼンテーションスタジオで「氷雪の門」の上映会が開催されました。当日は来年50周年を迎える社団法人川口青年会議所第29代理事長の高柳恵造先輩を中心に、多くの青年会議所のOB、現役会員が相集い、力を合わせ、英知と勇気と情熱を持って有意義で盛大な上映会となり、すてきな夜を過ごしました。
  昭和20年8月20日はソ連軍が真岡に侵略した日です。8月15日に大東亜戦争が終結したにもかかわらずに。次世代にしっかりと語り継がねばなりません。ぜひとも市内26中学校にDVDの配付を求めるが、いかがでしょうか。

一般質問答弁用

◎江連保明生涯学習部長 御答弁申し上げます。

  (1)のアでございますが、地蔵院のタブノキは、本市の貴重な天然記念物として市指定文化財に指定されております。タブノキを県指定文化財に指定することにつきましては、県の文化財保護審議会の答申により決定されるものであり、市の申請等の手続がございませんが、その価値について、県に対して積極的に紹介して参りたいと存じます。
  同じくイでございますが、小谷三志は鳩ヶ谷の地で生まれ、富士山信仰と実践道徳を結合させた宗教不二道の教えを説いた偉人でございます。居宅跡の場所を示す案内板につきましては、居宅跡地に設置されていないことから、案内板に所在地などを明記して参りたいと存じます。
  次に、(2)でございますが、小・中学校のエアコンを設置する場合の優先順位につきましては、学校施設の状況や立地、地域の公平性を考慮して参りたいと存じます。
  以上でございます。

 

◎高木直人技監兼都市計画部長 御答弁申し上げます。

  (1)のウでございますが、都市計画道路鳩ヶ谷流山線は、県南地域を東西に結ぶ基幹的道路であるとともに、本市東部地域の市街地整備の骨格となる幹線道路として都市計画決定を行なっており、段階的に整備が進められております。当該史跡付近の区間につきましては、現時点では事業主体や事業実施時期が未定でございますが、事業実施の際は史跡の保存について考慮するよう事業者へ要請して参りたいと存じます。
  以上でございます。

 

◎元井康博市民生活部長 御答弁申し上げます。

  (3)でございますが、議員御指摘の通学路における信号機がなく交通量が多い危険交差点の立哨につきましては、現場を調査の上、警察官による交通指導とともに交通安全協会の会員等の協力を得ながら、通学路の安全を図って参りたいと存じます。
  また、交通安全スクールガードの方を対象とした研修会を学童指導立哨マニュアルをもとに、実技指導等を警察官とともに毎年実施し、児童の安全確保に努めて参りたいと存じます。
  以上でございます。

 

◎柴田宏之学校教育部長 御答弁申し上げます。

  (4)でございますが、御指摘いただきました東アジアの地勢図につきましては、通常の地図とは異なる視点から位置関係を捉えることができるものであり、地理的な見方を広げ、国土の認識を深める資料の一つとして、授業での活用が考えられます。
  中学校社会科では、さまざまな資料を適切に選択・活用して、社会的事象を多面的・多角的に考える学習が重視されております。我が国の海洋国家としての特色は、学習指導要領に示された学習事項であり、さまざまな資料を活用し、領海や経済的水域を含めれば世界有数の面積を有する海洋国家としての日本について考える学習は、国土の認識を深める点で有意義であると考えております。
  次に、(5)でございますが、御指摘のとおり、市立学校長会議で紹介をさせていただきましたが、その後の動きについては掌握しておりません。映画「氷雪の門」は、近現代史を学ぶ上で参考となる作品であります。各学校で生徒の実態や教師の指導方法にあわせて、さまざまな教材を選定していることなどを踏まえ、改めて市立学校長会議等でDVDの紹介をして参りたいと存じます。
  以上でございます。
一般質問稲川先生似顔絵 まず、これが地蔵院さんのタブノキであります。本堂の裏にある。そしてタブノキ、こちらなんですけれども、8月22日、テレビ朝日の「若大将のゆうゆう散歩」という番組があるんですが、そこでも紹介されております。ちなみに、後ろ姿が地蔵院さんの御住職で、こちらが加山雄三さんでございます。
  タブノキについて、まずお尋ねしていきたいなと思いますが、私の手元に今、さいたま巨樹の会、こういう大木を鑑賞する会の組織でいただいた資料なんですけれども、現在、埼玉県の指定を受けている木は2か所、飯能市にあるタブノキと春日部市にあるイヌグスであります。この会の皆様方がうちの地蔵院と3つ比較した場合、最も保存状況のいいのは地蔵院にあるこちらの写真のタブノキであるとレポートを提出して、これもネットでも流れております。大きさ的にも地蔵院のタブノキが一番大きな状態であります。
  今、答弁の中で埼玉県の文化財保護審議会のほうでの答申が決定という答弁がございました。昨日の高橋英明議員の小谷三志さんの墓所の件でもたしか同じような答弁をされていたなと記憶するんですけれども、文化財保護審議会の内容というのはどのような組織になっているのか、こちらのほう、ちょっとお答えをしていただきたいなと思います。
  それと、(4)(5)にかかわって、領土問題の教育と近現代史の教育という視点のほうから再質問をしていきたいと思いますけれども、現在の市内の中学校では、たしか教育長も見覚えがあると思いますけれども、帝国書院さんの中学校社会科地図帳ということで、いろんな地図が使われているかと思います。先ほど紹介した東アジア地勢図に一番近い地図がこちら、日本海を中心に描いた地図なんですけれども、この地図ですと先ほど見せた東アジア地勢図と比較した場合、海洋国家であるという認識がどこまで伝わるのかなと。
  ちなみに、この地図ですと、日本の最北端である択捉島と最西端である与那国島はしっかりと出ておるわけですけれども、最も東にあたる南鳥島、それと最も南端にあたる沖ノ鳥島が残念ながらこの地図だと出ていないんですね。そういう視点からも、先ほど紹介した東アジア地勢図を使うと、全部出ているんですね。これが日本の東の端の島、南鳥島、ここにあるのが最南端の沖ノ鳥島です。
  こういうふうに具体的に日本の東京からの距離、また大阪や名古屋からの距離でもいいですけれども、どのくらい離れているのかを、こういう地図を使った学習をしたほうが、今、地図帳で使われている地図よりもはるかに私はすぐれものだと思っているわけであります。この辺について、もう一度御答弁をいただきたいなと思います。
  2回目の質問を終わります。
一般質問答弁用

◎江連保明生涯学習部長 再質問に御答弁申し上げます。

  埼玉県文化財保護審議会は、文化財の各分野の研究者である大学教授など20名で構成されております。そのうち天然記念物に関する専門の委員は3名で、埼玉大学名誉教授、東京大学大学院准教授などでございます。埼玉県文化財保護審議会は、県教育委員会から諮問されて答申ということでございますので、本市のほうから埼玉県教育委員会に対して積極的に紹介して参りたいというふうに考えてございます。
  以上でございます。

 

◎柴田宏之学校教育部長 再質問に御答弁申し上げます。

  東アジア領海の学習につきましては、通常、さまざまな地図を活用しておりまして、通常の地図教材でも学習指導要領に示されました領土や領海の学習は可能でありまして、視点を変えた逆さ地図は補助的な資料の一つとして活用が考えられると思っております。
  大陸から見た日本の逆さ地図につきましては、生徒の興味を喚起し、地形的な見方を広げる資料として機会を捉えて各学校に紹介して参りたいと存じます。
  以上でございます。

◆19番(稲川和成議員) 今、再質問につきまして、学校教育部長のほうから答弁いただいたわけなんですが、実は産経新聞の今年6月30日の新聞のコピーなんですが、兵庫県宝塚市において、靖国神社遊就館へ修学旅行を実施したという記事でございます。宝塚市で近現代教育の一環ということで遊就館、かつて僕もこの遊就館、学校で社会科見学で使ってみてはどうかという質問をさせていただいたわけなんですけれども、ほかのまちで既に実施しているところがあるということで、最終的には現場の校長先生の判断で行き先等々決まっていくのかと思いますけれども、部長のほうからもぜひこういった、宝塚市では実施したということを紹介していただければなと思います。