4 育児は崇高な仕事…子育て支援について

それでは、大きな4の質問に移ります。

一般質問稲川先生似顔絵

 一人の女性が一生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率が過去最低の1.25となり、日本の人口減少が具体的な数字となってあらわれ始めました。少子化対策は日本において最も緊急かつ重要な課題の一つであると言えます。子育ては大変だけれども、人生の華だ、生命のリレーほどすばらしいことはないとみんなが思う雰囲気をつくらなければ、子育て支援もただのばらまき、外注育児推進になってしまうと考えます。少子化対策も子どもの育ちの質が大事だという議論にかわり始めているような気がします。
 そのような中、本市では次代の社会を担う子どもを育成する家庭を支援し、子どもが健やかに生まれ育つ環境を整備するため、平成17年3月に川口市次世代育成支援行動計画を策定し、18事業に取り組み、さらには計画推進のため、川口市次世代育成支援行動計画推進委員会を設置されたことを評価します。
 山口県光市の取り組みを紹介します。
 我国で唯一「おっぱい都市宣言」をしている光市では、「子どもは親の背中を見て育つ」と題するシンポジウムを開催しております。光市「おっぱい都市宣言」とは、

 1.私たちは、おっぱいをとおして、“母と子と父そして人にやさしいまち光”をつくります。

 2.私たちは、おっぱいという胸のぬくもりの中で、子どもをしっかりと抱き、愛しみ、心豊かで健やかな輝く光っ子を育てます。

 3.私たちは、すべての母親のおっぱいが、より豊かに赤ちゃんに与えられるよう皆で手助けします。

 4.私たちは、おっぱいを尊び、偉大なる母を皆で守ります。

 このシンポジウムの中で首相補佐官、教育再生担当山谷えり子先生が次のような発言をされております。「おっぱいというのはすぐ出るものではありません。吸って吸ってやっと出る。お母さんも赤ちゃんも苦労する。しかもおっぱいは1か月目、2か月目、3か月目と味が違い、生育によって母乳の成分が違う。免疫力も高める。そのくらいお母さんは偉大。また、赤ちゃんはお母さんの体温を感じ、心臓の音を聞きながら、おなかの中にいたときを思い出す。母親も一生懸命におっぱいを吸う子どもの力を体で感じ、命の尊さを実感し、自信も沸いてくる。おっぱいをあげると母性化ホルモンと言われるプロラクチンが分泌され、母親らしくもなってもいく。お父さんは美しい信頼で結ばれた母と子を見ることで、それを男として守っていくことに力強い喜びを感じる。そうした喜びを知ったならば、2人目、3人目を授かることに何のちゅうちょがあろうか。」私も同感である。
 そこで質問ですが、1点目として、光市の「おっぱい都市宣言」をどのようにお考えかお聞かせください。
 2点目として、少子高齢化が深刻となり、育児の社会的重要性が強調される中で、親、特に母親の育児への不安が広まっていると感じます。そこで子育てのすばらしさを再認識するとともに、それを支える社会的な支援のあり方をどのようにお考えかお聞かせください。
 3点目として、赤ちゃんを自然に抱いて、乳首を吸わせて目を見て語りかける。
これが3原則と考え、それにより基本的信頼関係ができ、兄弟愛、家族愛、人間愛に広がると思います。家族を大事にする、それが最も根本的な少子化対策と認識するが、いかがか。

一般質問答弁用

◎新井保好福祉部長

 大きな4の1点目でございますが、山口県光市の「おっぱい都市宣言」をどのように考えるかとのことでございますが、この宣言の趣旨は母乳の持つ力とその象徴としての母性、それぞれの大切さを訴えており、ユニークな都市宣言であります。親子が最初に触れ合う母乳を授乳することにより、親子のきずながより深まり、かつ家族の愛情を通して、人間同士の信頼関係の大切さを気づかせる奥深い意味を持っていると感じたところでございます。
 家庭は子どもが生まれ育つ基本的な場であり、子どもが安心してゆとりある生活をおくれるよう、またすべての家庭が安心で楽しい子育てができるよう支援して参りたいと存じます。

◎岡村幸四郎市長 稲川和成議員の御質問に順次御答弁を申し上げます。

 大きな4の育児は崇高な仕事…子育て支援についての2点目でありますが、今後ますます社会の少子化高齢化傾向が強まり、育児の社会的重要性が強調される中で、特に母親の育児に対する不安や負担を解消するとともに、子育てのすばらしさを次代に広く伝えていく必要があると考えます。
 平成17年3月に本市が策定いたしました次世代育成支援行動計画では、「みまもる目 つながる手 子どもとともに育つまち かわぐち」を基本理念に、仕事と家庭の両立支援、家庭や地域の子育て力の向上、子どもの健やかな育ちの支援、さらに安全で安心して子育てできる環境整備といった施策を掲げているところであります。育児にかかわる母親の精神的な負担を軽減するため、各種相談業務や母子保健事業等を通して今後とも積極的に支援して参る所存であります。
 続いて3点目でありますが、議員御指摘の親が赤ちゃんと直接触れ合う機会が多いことが重要であり、このことが親子の信頼関係を深め、ひいては兄弟愛、家族愛、人間愛に広がるということは私も全く同感であり、人間の人格形成の根本的な場所はやはり家庭にあると考えております。親子の情愛にしっかり結ばれた家庭にあっては、子どもは正常に育つものであります。真に親子の情愛に満ちた家庭が本来の姿であるという認識のもとに、家族や地域社会が一体となって子どもを見守り、はぐくみ、支える社会であってこそ、さまざまな施策が大きな効果や成果を発揮していくものと考える次第であります。
 今後ともさまざまな子育て支援策を推進し、川口で生まれて育ってよかったと思えるまちづくりを目指してしっかり取り組んで参る所存であります。