5 ~男の役割・女の役割~第2次男女共同参画基本計画について

それでは、大きな5の質問に移ります。

一般質問稲川先生似顔絵  政府の第2次男女共同参画基本計画、平成18年から22年が昨年末閣議決定されました。基本計画で一番の議論になったのは、ジェンダーの記述を記述するかどうかだったと思います。これまでは男女共同参画の視点、イコールジェンダーの視点としてジェンダー論者の好き勝手な解釈と運用を許し、それが各地で男女の区別、イコール差別という男女同質化を指向するジェンダーフリー思想を蔓延する元凶となってきたと認識しています。
 ジェンダーフリー思想によれば、男女の区別を前提として成り立っている日本の伝統・文化・道徳や宗教的情操まで否定の対象とされかねない。今回の改定で残念ながらジェンダーの言葉は残ってしまったが、ジェンダーの概念について誤解の解消に努め、恣意的運用、解釈が行われないよう広報、啓発活動を進めると明記されていることを高く評価いたします。
 私はジェンダーは男女共同参画を進めるための概念と言われても理解できません。まず、日本語にならない単語で概念と言われても、学問の世界では通用するのでしょうが、現実問題、何でジェンダーという文字を使わなければいけないのかもわからない。
 そこで1点目の質問ですが、現在見直し中の川口市男女共同参画計画には、ジェンダーという呼称を使用するのか、使用する場合、なぜ使わなければいけないのかお聞かせください。
 また、見直しにかかわるメンバーはどのような構成をお考えか。
 男女同権、この基本をしっかり勉強して、男の特性、女の特性を生かして堂々と対等に生きていけばよいことではないでしょうか。男が子どもを産めるわけではなし、女が男のやれることすべてやれるわけでもない、あとは家庭や個人の問題、そんなところに法律で土足で生活の中に、ましてや子どもを利用して入り込んでくる事実が明らかになっているのは無視して、概念、概念と言われても迷惑な話で、2点目として伺いますが、個人の内面にかかわる男らしさや女らしさや伝統・文化については、行政が関与する問題ではないと考えるが、当局の見解をお聞かせください。
 男女問わず実力のある人が適材適所で社会に貢献すべきと私は思っております。女性が実力で社会のあらゆる分野、家庭、地域社会を含め、進出することは、社会の活性化につながると考えています。
 しかし、現行の男女共同参画政策は、企業などでの主導的地位についてのみ価値を置き、結果の平等を求め、家庭の役割を不当におとしめるものであるように感じます。
 3点目として問いますが、このままでは家庭や出産、育児に価値観を見いだす女の子に苦しみを与え、意欲を持ち目標に向かって研さんしている男の子の努力に報いることができなくなるのではないかと危惧しますが、当局はどのようにお考えかお聞かせください。 4点目は、機会の平等を徹底し、結果の平等を排除し、多様な価値観に基づき、専業主婦が家庭や育児や地域社会における役割を高く評価する。その結果が各分野において男女比が異なっても、問題とするものではないという方向で男女共同参画政策を進めるべきと考えるが、当局の見解をお聞かせください。
 ある家庭裁判所の家事調停員さんから伺った若い共働き夫婦の悲劇を紹介します。
 家事労働を女性のみ背負わせるのは不公平だとばかりに、月水金は自分がするから、火木土は夫がするとのルールをつくった妻がいた。夫婦ともに働いているのだから当然だというのが最大の理由であったそうだ。しかし、間もなく双方から不満が噴出して溝が深まったそうである。すなわち付き合いで帰宅が遅くなれば、ルールどおりにいかない。そうでなくても炊事、洗濯、掃除どれをとっても、男と女では手間ひまのかけ方が違うのだから不満は募る。これが高じて誠意がない、愛情がないなどなど人格の否定にまで発展してしまった。結局食事は外食、下着や小物まで洗濯はコインランドリー、それぞれが自分のことは自分でとばかりにつながり、かかわり合いを薄くすることで不満を解消していったそうです。共働き夫婦が対等、平等を求めた場合の悲劇は幾らでもあると調停員は話されています。
 川口市が品格ある都市として発展し続けるために、川口市男女共同参画計画、「~きらり川口 男女の参画プラン~改訂版」に期待します。
一般質問答弁用◎村川勝司企画財政部長 順次御答弁申し上げます。

 大きな5 第2次男女共同参画基本計画の1点目についてでございますが、御案内のとおり、平成17年12月に国の第2次男女共同参画基本計画が閣議決定されました。本市におきましては、現在男女共同参画に関する市民意識調査を実施しているところであり、その結果と国・県の動向を踏まえながら、平成19年度中に本市の計画見直し作業を進め、改訂の取りまとめをする予定であります。
  議員御指摘のジェンダー、いわゆる社会的性別につきましては、来年度計画見直しのために設置する男女共同参画社会推進会議において正しい認識、記述のあり方、周知方法などを含めて十分に議論、検討いただき、計画の改訂に反映させて参りたいと考えております。
  また、同会議のメンバー構成につきましては、設置要綱に基づき、有識者や関係団体及び公募の市民の15名以内を予定しているところであります。
  次に、同じく2点目、人間には生まれついての生物学的な性別がある一方で、社会通念や習慣の中には男性像、女性像といった社会的性別、ジェンダーがあります。この社会的性別にはそれ自体によい、悪いという価値を含むものではなく、国際的にも使われております。こうした社会的性別は性別による固定的な役割分担意識や偏見などにつながっている場合もあるため、正しい認識が定着するよう広く市民に周知徹底していく必要があります。
  また、このような社会的性別の視点の定義について誤解の解消に努め、また、恣意的運用、解釈が行われないよう、今後さらなる広報、啓発を進め、理解を深めることが必要と考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
  次に、同じく3点目、性別による固定的な役割分担意識による決めつけは、男性が家庭生活や地域生活を楽しむことや、女性が社会参加の意欲を持ちつつも、さまざまな分野で活躍することを困難にしております。とりわけ我国の施策、方針決定過程への女性の参画は国際的にも遅れており、雇用の分野においても、合理的な理由のない男女間の採用差別、昇任、賃金格差における女性への差別など、女性の能力が十分に生かされているとは言えない状況にあります。
  したがいまして、今後とも男女がともに職業生活と家庭、地域生活との両立できるような意識の醸成と社会システムの確立が必要であると考えております。
   次に、同じく4点目、心豊かで充実した生活と活気あふれる地域づくりを目指して、男性も女性も性別にかかわりなく自由な意志でみずからの生き方を選択し、その個性を輝かせて持てる能力を十分に発揮できる社会、そういう男女共同参画社会の実現が望ましいものと考えておりますので、何とぞ御理解を賜りたいと存じます。
  以上でございます。

◆2番稲川和成議員 自由民主党の稲川和成

 男女共同参画、5点目、企画財政部長の方から丁寧な答弁をしていただきました。本当に感謝申し上げる次第でございますが、平成13年10月に川口市男女共同参画計画をつくられたときに、平成18年度に見直しをするとうたわれているわけですね。今の答弁によると、1年遅れの平成19年にはやるということでございます。しかし、どういう理由で遅れたかは質問いたしませんが、しかし、他市において本年各議会で条例を改正したり、基本計画がかなり大幅に訂正をしている市町村がございます。
 その中で幾つか紹介をさせていただきたいと思いますけれども、まず、今月12月6日、千葉県の市川市議会において、ここは今まで男女平等条例ということだったんですけれども、これを抜本的に改正いたしまして、ジェンダーという言葉を削除する新しい条例がつくられました。私、これ16年度、17年度と質問をしているわけですが、そして調査研究をしてくれと要望しております。これは日本全国に大変まねしてしまってはいけない悪い基本条例、基本計画書があるから調査してくれという意味で言っていたわけであって、まねしてくれという意味で私は言っていたわけではございません。
 ですから、悪い、ジェンダーフリーという言葉を誤って解釈をしてつくってしまった市がたくさんございますので、その辺を同じような失敗をしないように、平成19年度の改訂版をつくっていただきたく、これまた強く要望をする次第でございます。