6 本物のやさしさ・いたわり高齢者福祉について
それでは、大きな質問6に移ります。

介護保険法が施行されてはや6年、老後に対する意識も大きく変わってきました。バリアフリー、ユニバーサルデザインなど急速な高齢化が進む中、これらの言葉が本当に切実な響きに聞こえてきます。
(1) 高齢者の生活環境の整備について
高齢者のための生活環境の整備を考えるとき、最も必要な視点は高齢者の立場に立って考えるということだと思います。高齢者の方に便利な最新の電化製品を買ったところ、それを使いこなせないという例をよく耳にします。誰にでも簡単に利用できるものでなければ、本当の意味でのバリアフリーは実現されないのではと感じる一方で、高齢者の自立を支えるという視点も必要と感じます。現在、市は生きがいある暮らしづくりを実現するための事業をどのような視点で行われているのか、お聞かせください。
(2) 高齢者との上手な付き合い方
高齢者や障害者と接する場合、大きな誤解に基づいて行動してしまうことがあります。例えば目が不自由な方を介助するとき、手を引いて連れていこうとする方がいます。ところが、これはとても非常に危険なことだと聞きました。正解は目が不自由な方が介助者につかまって、一緒に歩くことが安全な歩き方なのです。また、女性の高齢者の入浴介助を男性の介助者が行う場合、高齢者の中には強い抵抗感を示す方もいらっしゃいます。そのことは考えてみれば当然のことです。自分の裸を異性に見られることは、だれにとっても恥ずかしいこと。そういった配慮の欠如も高齢者に対する理解不足によるものだと思います。多くの高齢者福祉事業を推進していく中で最も大切な心は、お互いの理解を深めていくような福祉の心を持つことだと考えますが、当局の見解をお聞かせください。
(3) 急速な高齢化が進む中、必要とされる医療サービスについて
まず初めに、昨年12月定例会において我党の宍倉議員が40歯科検診について質問されました。新井部長は答弁の中で、「歯科医師会や保健所とも連携を図りながら研究して参りたい」と答えられました。1年間川口歯科医師会とどのような研究をされたのか、1点目として伺います。先頃、歯科医師会において川口市民1万人を対象に8020運動がどの程度浸透しているのか調査を行なったところ、40歳で25本、65歳では何と10本という平均値が出たそうです。川口市民が80歳で20本の歯を維持すれば、約25億円の歳出削減ができるとのデータがあります。
2点目として質問させていただきますが、歯科医師会の8020運動をどのように考えていらっしゃるかお聞かせください。
3点目として、高齢者医療の現場において注目されているプライマリーケアについてお尋ねいたします。
日本では内科や外科などという専門医制度が一般的です。しかし、高齢者医療の場合、専門医だけの対応では難しい局面が見受けられます。症状が例えば内臓疾患だったり、四肢の不調だったりと多岐にわたる場合が多いからだそうです。そのような患者さんに対しては、継続的なパートナーシップを築き、その家族や地域を視野に入れた医療サービスが必要ではないでしょうか。プライマリーケアを実現させていくのかが高齢者医療の課題と考えるがいかがか。

◎新井保好福祉部長
大きな6の(1) 高齢者の生活環境の整備についてでございますが、高齢者の皆様が生きがいを持って生活するためには、支援体制の充実を図ることも必要でありますが、御本人が自立し、積極的に社会参加できる土台をつくることが重要であると考えております。 本市では、生きがいセミナーや老人大学等の事業を積極的に行うとともに、高齢者の方々が互いに支え合い、みずから進んで地域社会に参加できるよう地域の老人クラブとも連携を図っております。これからも高齢者の生きがいある暮らしづくりの充実を目指し、各種事業に取り組んで参りたいと存じます。
次に、(2) 高齢者との上手な付き合い方でございますが、高齢者福祉事業を推進する上で利用者の立場を理解し、状況に応じた配慮を心がけることは、福祉サービスの原点であると考えております。
社会福祉事業団が運営する神根福祉センターや芝福祉センターのデイサービス事業等におきましても、利用される方の状況に応じて同性介護や動作前の声かけなど、利用者に不安や不快感を与えない、安心できる真心のこもった対応を心がけております。これからも高齢者福祉事業の実施に際しましては、利用者の立場や状況を踏まえた適切かつ丁寧なサースの提供を推進して参りたいと存じます。
以上でございます。
◎山田孝雄健康増進部長
大きな6の(3) 急速な高齢化が進む中、必要とされる医療サービスについての1点目、40歳以上の歯科検診についてでございますが、本市では生涯を通じた歯の健康づくりとして妊婦歯科健康診査、1歳6か月児歯科健康診査や国保の歯科健診、そして65歳以上の方の訪問歯科健康診査等の事業を実施しております。
また、成人歯科健康相談や歯科医師会と共催して歯の健康フェスティバルを開催し、歯科保健知識の普及啓発に努めているところでございます。
40歳以上の歯科健診事業の実施につきましては、現時点では財源等の課題もございまして、導入については難しいものと考えておりますので、御理解賜りたいと存じます。
同じく2点目、8020運動に対する考え方でございますが、8020運動は80歳になっても20本以上の自分の歯を保つことで豊かな人生をという考えのもとに、平成4年から厚生労働省と日本歯科医師会により提案された運動でございます。本市ではこの運動の重要性を認識し、川口歯科医師会と共催で、歯の衛生週間にあわせて歯の健康フェスティバルを実施しているところでございます。今後も連携し、運動を推進して参りたいと存じます。
同じく3点目、高齢者医療の課題解決のためのプライマリーケアの実現についてでございますが、現在の医療体制につきましては、議員御指摘のとおり、疾病の状態により専門医による診断、治療が主となっており、疾病予防から健康増進、リハビリ、療養指導に至るまでの市民一人ひとりの病状にあった医療体制の一つとしてプライマリーケアが重要であることは認識しておりますので、今後医師会に要望して参ります。
以上でございます。
◆2番稲川和成議員 自由民主党の稲川和成
福祉部長、また健康増進部長の方から答弁をいただきましたが、高齢者福祉、子育て支援、これは目下日本において大変な問題等々になりつつあることでございますので、川口市としても力を入れていただければなと思います。