4 赤山城跡保存整備事業について
それでは、大きな4の質問に入っていきます。
大きな4 赤山城跡保存整備事業について
関東郡代伊奈氏の功績については、皆様も存じていると思いますが、伊奈氏は三河以来の徳川家康の直参で、家康の関東入府にあたり、その卓越した土木建築の才能を見込まれ、伊奈流による利根川・荒川の河川改修、見沼等の新田開発、街道整備、千住大橋等の土木工事のほか、富士山大噴火や天明の飢饉の際に貧民救済にあたるなど、江戸時代12代、約200年にわたり関東郡代を世襲した旗本です。
昭和56年に首都高、昭和57年に外環道が陣屋の南側と北側を東西に横断する形で建設されることになり、発掘調査が実施されたことを発端に、現在まで4回の考古学的調査が実施され、その成果として伊奈氏の卓越した土木技術の一端をうかがい知ることができると報告されています。
このような歴史的遺産を活用して、本市を全国にアピールすることのできる歴史のまちづくりを行なっていくことが、今後の本市の新たな顔として重要なのではないかと考えます。
現在、赤山城跡保存整備事業地域に隣接し、本市の3大プロジェクト、平成15年9月定例会にて私が提案した(仮称)赤山歴史自然公園の整備も本年2月に基本設計が発表され、本年度実施設計が進んでいると伺います。近い将来、(仮称)赤山歴史自然公園には市内外から多くの方々が訪れることになると思うが、その多くの方々にぜひとも関東郡代伊奈氏を知っていただき、本市赤山の歴史認識を高めていただき、本市のもう一つの顔として歴史のまちづくりを行なってください。
そのためには、(仮称)赤山歴史自然公園の完成と同時に赤山陣屋の復元などを行うことができれば、まさに本市の歴史的パークエリアとなり、地域の振興や都市農業の活性化、さらには歴史観光都市として本市の経済効果にも影響が及ぶはずです。
そこで質問ですが、

(1)として、名称を“赤山陣屋”について
まず名称の統一を求めます。赤山城跡では何も知識がない県内外から来る方々は、天守閣があり、石垣のある城をイメージしてしまいます。赤山陣屋保存整備事業とすべきです。来年度予算書からさっそく直していただきたいと質問します。
(2)として、進捗率について
現在実施している赤山城跡保存整備事業の進捗率はどのような数字ですか。
(3)として、整備計画について
今後の整備計画についてどのように進めていくのか伺います。
(4)として、(仮称)川口市郷土総合博物館について
(仮称)川口市郷土総合博物館の建設を陣屋跡に求めるが、現在どのような検討をしているのかをお聞かせください。
(5)として、日光御成道まつりにて伊奈氏をアピール
日光御成道まつりにて伊奈氏をもっと前面に出した企画を期待したい。昨年11月11日のまつりでは、川口歴史行列絵巻で初代備前の守忠次から12代右近将監忠尊までの歴代郡代に歩いていただきましたが、若干アピール不足と感じました。当局の考え方をお聞かせください。
大きな4の1回目の質問を終わります。

◎江連保明生涯学習部長 御答弁申し上げます。
(1)でございますが、赤山陣屋は埼玉県が大正11年に史跡として指定し、昭和36年に旧跡に指定替えとなり、指定名称は「赤山城跡」となっております。名称につきましては、指定当時のものであり、また石碑には城址と示されておりますが、議員御提案の赤山陣屋跡の名称の使用法についても研究して参りたいと存じます。次に、(2)でございますが、赤山城跡保存整備事業は本丸、二の丸を中心にこれを取り巻く空堀、約13ヘクタールを対象に実施しております。昨年度新たに1,040平方メートルの用地を購入し、現在、事業用地の約16パーセント、合計2ヘクタールの用地を取得しているところでございます。また、空堀につきましては全長1,132メートルのうち810メートル、約72パーセントを散策路として整備しているところでございます。
次に、(3)でございますが、貴重な歴史遺産である赤山陣屋遺跡の保護保存を目的に、これまで本丸、二の丸を中心に空堀の整備を実施しているところでございます。今後も用地の確保に努めるとともに、往時の空堀や土塁の一部の姿を今に残し、緑豊かなこの地域に多くの方々に訪れていただけるよう、散策路、並木道などの整備に努めて参ります。
次に、(4)でございますが、赤山陣屋は江戸時代初期、関東郡代伊奈氏が水田開発や河川改修の拠点とした本市の貴重な歴史遺産でございます。この地域に郷土総合博物館を建設することは、文化財の保存の点からも価値あるものと考えますので、建設候補の予定地の一つとして今後も構想の実現の可能性について関係部局との協議を進めて参りたいと存じます。
以上でございます。
◎桜井智明経済部長 御答弁申し上げます。
(5)についてでございますが、昨年開催されました「川口宿 鳩ヶ谷宿 日光御成道まつり」での伊奈氏の行列につきましては、議員御指摘のとおり、川口歴史行列の中で関東郡代伊奈家として初代の忠次から第12代忠尊まで、地元連合町会長をはじめとする12名の方に出演をいただいたところでございます。今後の伊奈氏の行列編成につきましても、川口歴史行列の中で存在感を出せるよう、日光御成道まつり実行委員会に諮って参りたいと存じます。
以上でございます。

ただ今の答弁で、事業用地としてまず16パーセントということで、これはまだまだ大変だと改めて認識をさせていただいたわけであります。
そこで、たしか前回の定例会、6月定例会でこの陣屋跡の模型をたしかつくるというような上程案があったと思います。とりあえずそちらを先に見せていただいて、100パーセントになるまであと何年かかるかわかりませんが、ちょっとこの後考えていきたいなと思います。
質問としましては、赤山陣屋進捗率と整備計画にかかわってというところから、陣屋の模型がどのようないま進みぐあいになっているのか、答弁をいただければなと思います。
2回目終わります。

◎江連保明生涯学習部長 再質問について御答弁申し上げます。
赤山陣屋模型につきましては、750分の1で縮尺しており、寸法は約2メートル20、長さ2メートル50センチのものを予定してございます。現在、陣屋、空堀や門、家臣屋敷や農地などを赤山陣屋絵図を基本に、また岐阜県の高山陣屋の情報も収集いたしまして、図案化の作業を行なってており、平成26年1月末頃に完成する予定でございます。以上でございます。
◆19番(稲川和成議員) 完成が楽しみであります。
そこで最後、市長、川口の顔として(仮称)赤山歴史自然公園の整備が進められているところでありますが、あわせて関東郡代伊奈氏の歴史的偉功を活用した、歴史的なパークエリアですね。大きなパークエリア、そういうことを早期に形成していただきたいと強く要望させていただきます。