1 権利の放棄について

◆37番(稲川和成議員) 自由民主党川口市議会幹事長、稲川和成です。
平成年間最後の今任期最終定例会の代表質問初日、先陣の機会を与えていただきました我が議員団、宇田川好秀団長をはじめとする同志のおのおの方に対して、心からの感謝と御礼を申し上げます。また、早朝より傍聴席に足を運んでいただきました支援者の皆様方、ありがとうございます。
本市が平成30年4月に中核市へ移行し、早くも1年が経過しようとしています。
奥ノ木市長におかれましては、60万市民を対象に、新たな市民サービスの提供を開始され、また、各種の中核市移行記念行事を盛大にとり行われました。我々自民党市議団にとって、本市の転換期に市長とともに力を合わせ、市政の発展に取り組んで参りましたことは、大きな誇りであります。
それでは、中核市川口の2年目に向けて、よりよい川口市をつくり上げていくために、自民党市議団を代表して質問をいたします。

大きな1 権利の放棄についてであります。
先日、可決成立した平成30年度の権利の放棄について、3月議会開会初日、我が自民党の吉田英司副団長から質問をさせていただき、理事者からは詳細で誠意ある答弁をいただきました。その後、高田副市長から、これまできちんとできていなかったことが多かったが、現在は市全体で債権回収に取り組み、管理体制を整えて適正に行なっている旨の説明がありました。
しかしながら、私も説明を聞く限り仕方ないと思わざる反面、そうなる前にもっと何かできなかったのかと、議員の皆様にもそういった思いが心のどこかにあったのではないでしょうか。
また、権利の放棄に関して、近い将来には債権管理条例を制定して、債権回収の適正管理に努めていくといった説明もありました。今後、しっかりと債権を管理していくために、市として最大限の回収努力をすることは、中核市川口として大変重要なことであります。

一般質問稲川先生似顔絵 (1)本市の「権利の放棄」の考え方について

本市の「権利の放棄」の考え方についてお伺いいたします。

(2)債権管理条例について

債権管理条例の制定に向け、どのような準備を行なっているのか。

一般質問答弁用

◎奥ノ木信夫市長

 稲川和成議員の1番の(1)について御答弁申し上げます。
 日本国憲法にある国民の義務に関する規定は「勤労の義務」と「教育を受けさせる義務」、そして第30条の「納税の義務」であります。条文では、「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」となっておりますので、国民は、すなわち市民の皆さんには税金を納めていただかなければなりません。
 そして、市民の皆さんからお預かりした税金は、市のさまざまな事業に活かされておりますので、行政財産の目的外使用料や住宅使用料などの債権につきましても、確実にお支払いいただく必要があります。また、水道料金や診療費につきましても、企業体の経営の観点から、お支払いいただかなければならないことは言うまでもありません。
 こうしたことから、私は一元的に債権を管理する専門的な部署を新たに設け、弁護士法人に債権回収を委託する等の対策を立てており、負担の公平・公正の確保に努めているところであります。
 その結果、現在、数字で言いますと、私が市長に就任したときの決算額で市税収納額が890億円だったものが、現在は952億円、いわゆるプラス62億円市税収入が1年間に増えることになりました。さらに来年度は、これがプラス65億円になる見込みでございます。そういった努力もさせていただいております。
 そして、私は各債権担当には、さまざまな回収努力を指示しておりますが、自己破産や債務者死亡、所在不明等が判明し、真にやむを得ず回収できない債権につきましては、権利の放棄をした後、不納欠損をする決断をした次第であります。
 したがいまして、「権利の放棄」は最後の手段であると考えているところであります。
 今後におきましても、市が保有する債権につきましては、さらなる管理の適正化を図るとともに、未納者には確実な督促や催告をするなど、迅速かつ「丁寧な対応」と必要な調査を十分に実施し、最善の回収努力を尽くすことで、負担の公平性と歳入確保に鋭意努めて参る所存であります。
 次に、(2)でありますけれども、私は債権を適正に管理していく上で、全庁的で明確かつ統一的な基準と効率的な回収が必要であると考えております。
 そのためには、債権管理条例を制定し、条例制定の目的と債権管理の原則をもとに、債権管理者の責任を明確化することで債権管理の適正化が図られるものであります。
 こうしたことから、多くの先進都市が条例を制定しており、政令市20市のうち19市、さらに中核市54市のうち34市、東京23区のうち20区、合計97あるうち73の市や区が制定しており、その割合は7割を超えている状況であります。
 このことを踏まえ、今年度中核市となった本市においては、円滑な債権管理の運営に努めるため、平成32年度の条例施行に向け、準備を進めているところであります。
 以上です。