3 市民の求める美術館について
◆37番(稲川和成議員) 本市の長年の懸案事項でありましたSKIPシティの整備は、今回のNHKとの合意を受け、大きく前進したと考えております。
私は、本件を通じ、SKIPシティA街区の既存施設であるNHKアーカイブスや彩の国ビジュアルプラザなどを効果的に活用し、さらに魅力的なまちへと発展することを大いに期待いたしております。
では、次の質問に移ります。
大きな3は、市民の求める美術館についてであります。
私は一昨年、川口市文化芸術審議会の委員となり、川口市文化芸術振興指針及び川口市文化芸術基本計画を検討・審議する期間に、本市の文化芸術への親しみが増してきました。
美術や文芸、音楽や演劇、囲碁将棋、華道茶道など、さまざまな文化芸術が市民の生きがいをつくり、心に潤いを与えています。本市の文化芸術は、長い期間多くのジャンルにわたって、多数の方々がつくり上げてきていることをまさに実感したものです。
そのような中、本市は日本を代表する洋画家、塗師祥一郎氏の作品の寄贈を受け、貴重な文化資産が本市の財産となったわけでございます。約1年半の準備期間を経て、去る1月5日から8日間、リリアの展示ホールで開催された「塗師祥一郎寄贈作品展」には大勢の方が観覧されております。後日確認したところ、入場者数は約2,500人ほどで、近年の同様の展示会と比べても多かったと伺っております。
私も実際観覧して参りました。その際、寄贈作品集をいただいてきたわけでございます。すばらしい作品が物すごい状態で展示をされていたわけでございます。長辺2メートルを超える130号から150号クラス、絵画に興味のない方はぴんとこないでしょうけれども、大作が一堂に展示され、雪の厳しさに、雪の温かさに、その迫力に圧倒されたものでございます。
観覧されている方の中で、「こんな短い会期ではなくて、いつも展示されている施設があるといいのに」「身近に見に来られる美術館があれば」「川口市の文化度が上がる」との多くの意見が会場内でも聞かれていたわけでございます。アンケート調査の自由記述でも、美術館の設置を求める記載が物すごい数でございましたと聞いております。とはいいましても、美術館設置には検討すべきことが多く、私のところにも市民の皆様から御意見や御質問が寄せられています。市の美術展が開催できる機能を備えられるのか、アートギャラリー・アトリアの位置付けはどうするのかなど、多くの課題があると考えております。

現在、川口市美術館建設基本構想・基本計画審議会で検討を進めているところと存じますが、美術館建設についてどのようなお考えをお持ちか、お伺いいたします。

◎奥ノ木信夫市長 大きな3番について御答弁申し上げます。
1月に開催した「塗師祥一郎寄贈作品展」は大盛況のうちに終了し、会期中は私も何度も鑑賞に行きました。北国の生活の厳しさをあらわすいてつく雪や春を待つ温かさを感じる雪など、見るたびに新しい感動を呼び覚ます、これぞ絵画、これぞ川口の宝と感じたものであります。このような大作を御寄贈いただいたことに改めて感謝するとともに、中核市として、文化都市としての川口に求められる美術館とはどのようなものかと、慎重に検討すべきものと認識しております。
現在、川口市美術館建設基本構想・基本計画審議会では、4回の審議を終え、基本構想の素案をつくり、平成31年度には引き続き基本計画を策定したいと考えているところであります。基本構想では、本市の歴史や文化を受けとめ、市民の皆さんが集い、交流し、新たに創造する拠点としての美術館の構想を練り上げております。
私が60万の人口を擁する本市に必要と考える美術館は、海外の高額な絵画を求め集めるようなものではなく、多様な人々が集い、川口の歴史や文化、優れた芸術作品に触れ、人と人、あるいは人と文化とが交流するという要素が重要であると考えております。
美術館の事業活動や設備機能などの具体的な内容については、今後、基本計画において鋭意検討して参る所存であります。
以上です。